my trivial daily life

観劇備忘録のようなもの

優しい隣人

夕方娘から電話がかかってきた。このところには珍しく鍵を忘れたらしい。いつもはご近所に頼んで待たせて貰うのだけれど、今日はその頼みの綱のおばちゃんが不在で偶然居合わせた「お隣のおねえちゃんの携帯電話を貸して貰った」とのことだった。姉妹で暮らしているお嬢さんたちなのだが、挨拶しかしたことのない程度。でも子供は嫌いじゃないらしい。電話を替わると、家にいるので預かってくださるとのこと。お姉さんは夜勤の多い看護婦さんなので多分妹さんかな、と推測。現金な娘は綺麗なお姉さんが大好きなので、喜んで預かられることだろうことは想像に難くない。
退社して、駅前でお土産にチーズクリームの入ったロールケーキを調達して、迎えに行く。玄関先には大きな男物の靴があって、よく来ている彼氏かな、とまたまた推測。娘は大きなモモぬいとコモモぬいと猫のマリーのぬいぐるみを抱きかかえてニコニコ。おにいちゃんがUFOキャッチャーでとったもので、いらないからといただいたのだ。このぬいぐるみでおにいちゃんとおねえちゃんとずっと遊んでいたそうな。腕にしっかり抱えた3つのぬいぐるみで前が見えなくなりながらも、ついてくる娘の姿によほど欲しかったんだろうなぁと苦笑。二人が優しくて楽しかったらしく、とても満ち足りた顔をしている。
「きっと「かわいいね」って言ってくれたんでしょ?」「うん」
「沢山遊んで貰ったんでしょう?」「うん」
帰宅して、「どんなお話したの?」と聞いてみる。女子大生の優しくて綺麗なお姉さんの前ではさぞかし口も滑らかであっただろうことは想像に難くない……。
「あのね、お母さんのこと、聞かれたよ。英語の……なんだかウーマンみたいだって」
「キャリアウーマン?」
「そうそう」
「(昔からOLっぽいとか言われて来たし、洋服がコンサバだしなぁ)…ふーん」
「お歳も聞かれたよ」
「げっ。で、どうせ言ったんでしょう?」
「うん♪」
「やっぱりね…。他には?」
「お姉ちゃんの大学を聞いたの。だからお母さんの大学も言ったの。いけなかった? おねえちゃんは○○女子大で、おにいちゃんは○○大だって。二人とも春休みだよ。」
「……(あんた、井戸端会議の主婦よりすごいかも。)」

その後の娘の報告により、二人はカップルではなく兄(調査員報告:TOKIO長瀬似)妹であると判明。調査員を雇うなら、子供に限る、と思った(こっちの情報もダダ漏れな訳だが)。

でも、娘のドジのお陰で隣人と近しくなれたのは素直に嬉しいので、良かったとしよう。また鍵を忘れたら、いるかもしれないからノックして、と言ってくれたそうだ。有難いなあ。世の中そう捨てたもんじゃないよなあ。ああ、ここに越して、本当に良かったなあ。
娘はコモモを抱いて幸せに就寝。優しい二人に感謝。