my trivial daily life

観劇備忘録のようなもの

優しい視線

久々に美容室にお手入れに行く。やっと肌の調子が戻ってきたと思っていたけれど、丹念にマッサージを受けた後は肌触りが格段に違っていて、やっぱり気分転換にこういう時間は女性にとって必要だなあ、と実感。先月は忙しくて全く手をかけなかったが、やはりやるとやらないとでは違うものかと反省した。
春の新色などを物色して、結局買わず、サンプルだけ貰ってきた。たかが口紅一本でも、あれこれと迷う時間も楽しいものなのだ。
その後、ファミレスに寄って、食事する。娘が急に不満を零し出す。どうやら頼んだキッズプレートが前回はおまけ付きだったのに今回は何故おまけがついてないのか?ということらしい。おまけがついていたのはここではない、というわたしの主張に絶対違う、たしかにこの店でこのメニューで指輪をもらったのだ、と反論する娘。大食いの娘がお子様メニューを所望したのは、おまけ目当てだったのだな、と苦笑しながら、「まぁまぁ」となだめるが、どうにもこうにも娘の不満は解消されないらしい。そんなに欲しかったのか、おまけが。
椅子にぐでんぐでんになってすねている娘を隣の席の女性が気づき「かわいい」と言いながらくすくす笑っている。娘についつい目がいってしまうようだ。その視線に子どもが好きなんだなぁ、ああ、いい子だなあ、とか思う。今でこそ驚かれるものの、何を隠そう、わたしは若かりし頃は子ども好きでは全くなかったのである。でも、育てていくうちに、沢山のものを得て、こういう子どもへの視線が優しい人というのは分かるようになったし、自分もそういう視線を放っているかも知れない、と思うこともある。というわけで、勝手ながら、そういうお子様とのアイコンタクトが出来る人というのを、男女問わず無条件に「いい人だ、間違いない」と思うようになった。そうこうしているうちに隣の団体席の女の子たちが娘に注目。ますます娘は立ち上がるきっかけがつかめなくなっていく。しかし大声を上げたりなどはしないし、ただでろでろと椅子の上でへたっているだけなので、切羽詰まった駄々ではなく、どうやらごねて甘えてみたいのだな、と、なんとはなしにわたしも可笑しい。笑いを堪えつつ、どうにかこうにかなだめすかし、お姉さんたちにバイバイをして、帰宅した。
「恥ずかしかった?」と聞くと「ううん、嬉しかった」と答えたので、きっと彼女たちの視線が優しかったことが伝わっているんだろう。
帰宅後もちょっとした隙にすねてみたりしているのだが、きっと今日は彼女なりにこうやって甘えたいのだ、と思うと、叱る気にならず、「可笑しいなあ」と思いながら見ていた。叱ってしまうと殺伐としてしまうが、こちらにも娘にもなんとはなしに余裕がある。
夜、「今日は駄々こねて甘えてるんでしょう?」と聞くと「うん」と白状した。きっと、自分が悪いのも分かっているけど、それでも受け止めて欲しいんだよね。
こういうのって、男の人は困惑するかも知れないけれど、小さいながらも女心だよねぇ。