my trivial daily life

観劇備忘録のようなもの

はじめての二人旅

午前授業で終わって帰ってきたので、簡単に食事をさせ、近場へ一泊旅行へ。
天気が良く、電車が苦手な娘も道中殆ど寝ていてくれて、栃木に着き、夜は岸部眞明さんのライブに行った。ギターソロのライブは通な人たちが集まっている、非常に怖い世界かと思ったら、そんなことはなくて、年齢層高めの非常に優しいいい人たち、という感じだった。アコースティックギターの名手というのは地味だけれど朴訥でいい人、という印象がすっかり出来上がるくらいに。ゲストにパーカッションの方が飛び入りで参加してくれて、娘はお菓子の箱を真似して叩きながら聴いていたのが可笑しかった。どうも娘は打楽器派らしい。
ギター好きの男の子の彼女と思われる近くの女の子に飴を貰ったり、前半で飽きてムズムズしてしまった娘は、隣の常連さんとおぼしき人に「本当にいい子だね」と褒めてもらったりで、娘はおだてにのり、結局2時間耐えてくれたのは助かった。
後半は新曲がメインだったが、末っ子の一歳半の男の子の笑顔を見ていて作った曲であるとか、今年でギター教室を止めライブに専念することに決めたときに出来た曲、などというのを聴きながら、何故この人の曲が好きなのか、その理由が分かったような気がした。それにしても、そこにある思いや空気を音で表現できるというのはなんて羨ましいんだろう、と思う。わたしは言葉で表現することしかできないけれど、自分と違う手段を持っている人、というのに叶わぬ憧れのような思いを抱いた。
夕食はすっかり遅くなってしまったので、デニーズへ。旅先のチェーン店というのは案外面白い。じゃんけんして勝ったら子どもにはジュースが付くという特典があったのだが、娘は沢蟹さんで出し続けたチョキでお姉さんに負けてしまい、それでもお姉さんは「申し訳なかったからおつけします」とジュースをサービスしてくれた。
ホテルに戻っても相変わらずいつものようにテレビを見て、いつものように過ごしてしまった。ひょっとしたら一人ホテルで旅情に駆られセンチになるかと思ったのだが、まったくそういうことはなく、もう少し彼女が大人になるまで「旅情」というものとは無縁かもしれない、と思った。


目的地に到着して。奥の赤い鳥居が気にかかってしまう。