Boy friend

唐突だけれど、男と女の間には、恋とか愛とかしかないんだろうか。とか、真剣に考えてみる。何故と言うに、それしかない世の中だったら気持ち悪くて生きていけない、とか正直、思ってしまうからだ。わたしには大学時代から男友達が多かった。で、なんで彼らと恋に落ちないのかを真剣に考えてみたところ、一つの結論に達した。
要するにアレだ。大好きだけど相手に恋人がいる、とか、いい人だけど恋人には向かない、とか、恋の話などするうちにある程度相手の手の内が読めているので、恋愛の一番美味しい部分を互いにもう味わえなくなっている、とか。結局のところ「恋愛対象ではない」のだ。友達は数人いても平気だが恋人は複数人いたら大変だ（というか面倒くさい）。その限定された１人にはなり得ないってことなんだな、と。
男の友達は単純にいい、と思う。傷つくことも傷つけることもなく、仄かに甘く、優しい。いつも穏やかでいられる。YesかNoかを迫られることもない。こまめに会う必要もなく、会えばすぐ昔に戻れる。近くないけど遠くもない。恋はいつか終わるもの。だけど友情は永遠。そういう生ぬるいポジションで、ラクにしておきたいと思ってきたのは、そういう友達を沢山作ってきたわたしは、ずるかったのかもしれない。
友情なんて言ってもお互いが望まなければ成立しないし、相手が異性である以上、微妙な綱渡りでもある。ふとした瞬間に均衡が崩れてしまう時がある。だから最低限のマナーというのはあった。安心しきらないこと。相手が異性であることを忘れないこと。異性であることに甘えないこと。この絶妙なバランスを阿吽の呼吸で理解し保てる相手というのは、当然ながら多くない。
友達って簡単に言うけど、男と女の友情なんて、無理があるよね。やっぱり。
だけど、それが恋ではなかったとしても、真心はあったんだ。そんなものいらない、って思われたら、悲しいけど。愛とか恋とかばっかりじゃなくて、そんな優しい気持ちが欲しいって思うのは、所詮エゴなのかもしれないけど。