my trivial daily life

観劇備忘録のようなもの

Bloom

花が咲くのなら 明日は笑えるだろう
彼女のすべらかな頬の上 真珠がおちてゆくけれど
風は陽射しを孕みながら 温もりを増していくから


白木蓮 膨らませた頬から 空に向かって歌い出す
きっとそれは 甘えたラブソング
まっすぐに まっすぐに 私を見てと請うている


花が咲くのなら 生きていけるだろう
乾いた樹皮のその下に 甘美な蜜を蓄えて
巡り来る季節を怠らず 営みを繰り返す


たとえ幾度 散ろうとも
今年の花は 一度きりの花
ふたたびの逢瀬はないこと
悟りながらも 繰り返していく


花が散るのなら 生きてゆけるだろう
より美しく咲くために
より甘く香るために
そう夢見ながら 果てるように


生きてゆこうよ