my trivial daily life

観劇備忘録のようなもの

バッテリー6

バッテリー〈6〉(教育画劇の創作文学)

バッテリー〈6〉(教育画劇の創作文学)


リクエストしてから一ヶ月半…。図書館でようやっと借りられたので、田舎に帰省する際の移動時間に読んだ。

読後感としては、「え、こういう終わりなの?! うーむ、うーむ、そうかぁ……」というのが正直なところ。こう終わらせるしか無かったのかなぁ、と直後は思うが文庫本3巻のあとがきで作者が「捕らえられなかった」と書いているように、やはり若さや才能や強靱さや頑なさを描ききれなかったのだろう。主人公巧に関わる多くの個性の変化や煌めきは、とても楽しかったけれど、彼らの行く末をもっと見ていたかった。
基本的には5巻からさして状況が変わっていないような流れはもたついて見えたし、最終巻という期待もあって、不完全燃焼というか、なんだか釈然としない感がある。あとがきを読んで感じた、あさのあつこの挫折感や敗北感も、こういうことだったのかと納得。広がりが感じられるキャラクターたちだけに、今後どのようにもなりうるし、ほんのとば口で終わってしまった、そんな気がする。


若さは移ろいやすく、少年は脆く、夏の日は短い。

願わくば、その一瞬が過去の栄光になってしまわないことを。