my trivial daily life

観劇備忘録のようなもの

おませなプレゼント

母の日。娘にプレゼントは何がいいかと問われて「一日だけでいいから、おしとやかなお上品なお嬢さんっていうのをやってみてくれないか?」と持ちかけてみたが、昨日は、「じゃあ今のうちに甘えておく」と宣言され、ベタベタとまとわりつかれる。今日も朝から膝の上から動こうとしない。「やっぱり、やめた〜。昨日甘えておいて得したなぁ」とニンマリ。
母に電話して、近況を聞いたり、昨日さぼってしまった上履き洗いやら体操着やらの洗濯をして普通に過ごす。
午後「お買い物に行きたい!」と駅前に出かけるも、「ママはお買い物してて!」とアクセサリーショップの前で突如突き放される。こ、これは、プレゼントを買ってくれる気なのだなと思ったのだが、そんなに高いものはもらえないし、と、さり気なく他の店に行こうと誘ったのだけれど、手つかずだったお年玉の入った財布を握りしめたまま頑として言うことを聞かず。
買い出しをして、隣の化粧品店でお喋りしつつ時間を潰していると、店員さんが様子を覗きに行って報告してくれた。
「一万円出してたわよ。すごく素敵よぉ。どんなのかは内緒って約束して見せて貰ったの」
うひゃあ。参ったなあ、嬉しいけれど、そんなに高価なものは貰いにくい。駆け戻ってきた娘は大事そうにショッピングバッグを小脇に抱えている。手に提げずにバッグを二つ折りにして抱えているのがなんだかとても娘の気持ちが伝わってきて嬉しかった。
家に帰って渡されたのは、ホワイトゴールドの花のモチーフのブレスレットだった。「クローバーとかもあったけど、ママが好きなお花にしたの。金じゃなくて銀色が似合うと思ったからそれにしたの。本当は本物のお花もいいなって思ったけれど、お花は残らないから。選ぶの、楽しかった!」

そうか。プレゼントってあげる方も楽しいものだよね。どんなのが喜んで貰えるだろうと色々悩んだり、自分の選択は正しかったかと考えたり。渡すまでのワクワク感は貰う方の喜び以上のものがあるのかもしれない。でも、こんなに背伸びしてもらわなくても良かったんだけどなぁ、勿体なくて使えない、なんて言ったら悲しむかなあ、なんて思ったり。
ああ、でも一人で選んでお金を出してお買い物して、なんていうおませなことをもうやってくれる歳になったんだなあ。お母さんって仕事は面倒くさいけど、やっぱり言葉にできないくらいいい役割だなあ。なんてしみじみ思った。