my trivial daily life

観劇備忘録のようなもの

不機嫌なジーン

うーん、ノリは良かったんだけれど、なんだかいまひとつ。内野聖陽のコミカルな変人ぶりだけは飛び抜けて良くて、あの演技に全般的に救われたのだけれど、他にどうという感もなく。もたいさんはもたいさんなのだけど、小林聡美もいまいちパンチ効いてないのが残念だし。
ストーリーは時系列がバラバラで話が飛ぶのが唐突な感じもするし、そこまでして挿入した過去のエピソードも、それほど説得力がないというか。特別なエピソードという感じがしないんだよね。そこにその人だけの傷とか苦しさとかがなければ、汎用性はあるけど薄っぺらに見えてしまう、というか。
そもそも主人公仁子が最も傷ついたはずの言葉だけど、男の浮気に利己的遺伝子を持ち出してくるっていうのが、なんか陳腐だなあ。しかもそれを言うのが環境生物学の権威たる学者なんて、なんだか拍子抜けしてしまう。学者としての極めて非凡な発想とか、天才ならではの何かが感じられれば、エピソードも面白くなるし、底の深さも増すのに、今のままでは奇行だけが目立つんじゃないかしら。
お腹にもたれないドラマっていう感じならいいのかな、とは思うけれど、正直もうちょっと深みが欲しいよー。動物のエピソードも聞いたことあるようなものだけじゃなくて、もっとディープでトリビアなみにどうでもよくて洒落たのが欲しいよー。とか思った。

月9っていつからこんな感じだったっけ? ひょっとして前からなのかしら。