my trivial daily life

観劇備忘録のようなもの

マナー違反を許して

今週になって会社にいるときも娘から携帯に電話がかかってくる。「今帰ったよ」という内容で取り立てて用事はないのだ。きっと田舎でたっぷり甘えた後だから、寂しいのだろう。帰省した後はいつもそうだ。その心許なさが伝わってきて、こちらから電話を切ることが出来ない。それでも、「もう地下鉄に乗るからね」とか「また駅に着いたら電話するからね」とか励まして、ブランクを埋める努力をしていくしかないのだろう。安心すればまた余所に気が向いて、やがて日常に慣れていく。
それまでは、電車に乗るときも、それがマナー違反だと承知していても、わたしはどうしても携帯電話の電源を切れないでいる。電車の中でも時折鳴る携帯電話をこそこそと取り出して、周りの冷たい目を気にしつつ、たった一言だけでも、答えてあげたい。それはずっとのことじゃないと、もう分かっているから。わたしに出来ることは、今はそれだけだから。