my trivial daily life

観劇備忘録のようなもの

遅れてきたプレゼント

娘から遅れてしまった母の日のプレゼントをもらった。学童クラブで作ったのだという。粘土を成形し、乾かしてから、オーブンで焼いて着色したという一品。父の日と兼用にしたらしく、一人何個でも作ってよいとのことだったらしい。工作が得意な娘はわたしの分、おじいちゃんの分、おばあちゃんの分、叔母(わたしの妹)の分と思いつく限り作ったという。
傑作は、わたしに作ったケーキだったのだそうだ。ケーキには「ママへ」と書いて、裏に小さくわたしの名前を入れてくれたのだと。ところが焼き上がったとき、それらは何処にも見あたらず、誰かが持っていったのを見た(ケーキを作ったのは娘だけだったのだ)と学童の先生が言ったと言うのだ。先生は4月から赴任した新人さんで、誰が誰だかまだ覚えていない、と言われ、娘は作り直したいと言って泣いた。けれども時間がかかる作品だったこともあり、先生は諦めてと説得したらしいのだ。
「ごめんね、これしか残らなかったの」
そう言われて手渡されたのは、彼女にとっては失敗作だったらしい、ちょっとひしゃげたクマちゃんだった。
「それでも色を塗って可愛くしてみたの」
ん、ありがとう。


素直に言えば、そのケーキが見たかったけど、どうして誰かが持って行っちゃったのかとか、その時の大人の対応とか、正直色々考えると切なくなるけど、でも、でも、さ。
あなたが一生懸命作ってくれた気持ちだけは、そして悲しい思いをしたことだけは、忘れないよ。