my trivial daily life

観劇備忘録のようなもの

懐かしい顔を沢山見られた日

眼底検査に行く。平日でさえ1時間待つのだから、と覚悟を決めて行くと、さすが土曜日、人の多いこと。待っている途中で保育園時代の子に会い、二人は即座にうち解けだした。1年以上も会っていないけれど、それでも幼少期一日の大半を過ごしてきた保育園仲間は単なる友達と言うより、姉妹に近い関係なのかもしれない。退屈しのぎにと持たせた本を二人一緒に読み、マクドナルドでもらったというおもちゃを二人で組み立て、待ち時間を楽しく過ごすことができて、幸運だった。母親同士も仕事や子供の近況などを話し合いながら、楽しく過ごすことができた。保育園仲間というのは母親同士にとっても、戦友、という感じがあるのかもしれない。自宅と職場と保育園のトライアングルを往復して過ぎた日々は、大変だったけれど、子供も母親も小学校よりもずっと密接な関係を持っていた。ワーキングマザーとして共有した時間は、今も大切な思い出だ。


検査が終わって、眼球の方は異常なしとのお墨付きをもらう。これで一安心。
いつものルートではなくて保育園時代によく通った道を通って帰る。毎朝挨拶していた古いスポーツ用品店。そこに立ち寄って、卓球のラケットを買う。娘が今年から児童館の卓球クラブに入ると言い出して、申し込みをしていたのだ。古いけれど綺麗に磨かれたドアを引く。狭くて小さい店内。天井まで堆く積まれた商品。そこに毎朝開店準備をしていた懐かしいおばさんの顔。挨拶すると、覚えていてくれたようで、とても懐かしそうにしてくれた。
しばし昔話をしていると、おじさんがお店に戻ってきて、おばさんは娘を見せて、ほら!あの子よ、と説明する。おじさんも思いだしてくださったようだ。
お店の前を歩く子たちにも時代の変遷があって、少しずつ時が移り変わっていくのを感じている、と話してくださる。お店の様子は何も変わらないけれど、お店に立ち寄る子供たちも少しずつ成長して、世代交代していくのだろう。そんな二人の時間を想像してみる。
子供たちの時間は早く、それを静かに眺めてゆっくりと時間を過ごすご夫婦。わたしは以前からなんだかこのご夫婦がとても好きだったのだけれど、通り過ぎる子供たちを見守る優しい目を感じるからなんだな、と改めて気づく。できればこんな風に年を重ねたいな、と思う。静かで優しくてゆっくりとした時間を。娘はおばさんが冷蔵庫から嬉しそうに取り出してくれたひんやり冷えたヤクルトを、わたしは消費税のおまけとほんのりと温かい気持ちをいただいて帰宅した。


大変な時代ほど、後には良い思い出。