my trivial daily life

観劇備忘録のようなもの

シーズ ザ デイ(上)

シーズザデイ〈上〉 (新潮文庫)
『シーズ ザ デイ』上巻(鈴木光司著。新潮文庫。「Seize the day」。the day=勝利とか、戦いの意味かな? 勝利をつかめ、っていう感じでしょうか。)を読了。いつ読んでも鈴木光司の描く男性はいいなあ、などと顔が綻ぶ。健全で逞しくて、父性的な愛情に満ちている感じが好きだ。だからといってマッチョで単細胞というわけではなく、心の機微なども推し量る繊細さもあって、女心が全く分からぬ唐変木でもないところがいい。片方だけならあるけれど、両方持ち合わせている人は滅多にいないのではないか、と思うのだ。当たり前のようでいてこんな感じの文章にはなかなか出会えない(だって作家って基本的に文系だもの)。
健やかさを感じることも、生きることはシンプルでいいのだと思わせてもらえるような生き方も、読んでいてとても安心する。女であるわたしは、なかなかそうはなれないからこそ、こういった世界に憧れるのかもしれない。