2009-09-12 往く夏 note 日々が掌からこぼれるように過ぎていく 幼子は少女になり 父の痩躯は老いていき 母の髪は白くなり 季節が瞬く間に過ぎていく 目映く煌めき弾む命と 確かに萎んでいく命の狭間で ただわたしだけが 季節においていかれそうで 道に咲く鶏頭の鮮やかな赤に 胸の奥が ツンと傷む また夏が往くことを 為す術もないのに 何を急ぐこともないのに