my trivial daily life

観劇備忘録のようなもの

往く夏

日々が掌からこぼれるように過ぎていく
幼子は少女になり
父の痩躯は老いていき
母の髪は白くなり
季節が瞬く間に過ぎていく



目映く煌めき弾む命と
確かに萎んでいく命の狭間で
ただわたしだけが
季節においていかれそうで



道に咲く鶏頭の鮮やかな赤に
胸の奥が ツンと傷む



また夏が往くことを 為す術もないのに
何を急ぐこともないのに