my trivial daily life

観劇備忘録のようなもの

花月草星展とキッズプレート

日本橋高島屋にて開催中の花月草星展を見に行く。別に手塚雄二氏や近代日本画に興味があるとかいうわけでもなく、タダ券があったから、という理由なのだけれど。
娘には少々食いつきが悪いテーマかとも思ったのだが、映画にしろ、美術館にしろ、そう言う場所でのマナーにだけはうるさい母親に育てられたことと、何でも取りあえずは一生懸命になって鑑賞するという癖だけはある子なので、連れていけばやはり、ちゃんと鑑賞し、楽しんでくれた。
手塚氏の画は昏く、繊細で、仄かで、何となく他人とは思えなかった。(いや、わたしが画が描けるわけではないが、嗜好の問題として)
暗い森の中の一筋の銀色の月の光や、頭上から降り注ぐ滝や、窓に薄く映る桜や、かろうじて見えるくらいの仄明かりの中の鮮やかであろう花や、といったものたちの今一瞬の美しさがピンで留められるように、静かに描かれていた。太陽よりも月、満月よりも細い三日月のモチーフが沢山出てくるところなども、パッと人目を惹いたり、圧倒するインパクトはない感じも、音のない世界に住んでいるかのような静謐さも、なんだか似た世界の住人のようで勝手にシンパシーを憶えてしまった。

見終わった後、資生堂パーラーでお茶をする。娘はキッズプレートを注文。お子様ランチとは一線を画する一口サイズの細やかさは、さすが資生堂パーラー。ミニハンバーグにミニフレンチドッグ、ミニサンドイッチにミニロールケーキ。それらが長方形のお皿に綺麗に並べられている。女子の憧れ、一口ずつ沢山!が叶う皿だった。美味しそう、いいなぁ。美味しい? うん、美味しいよ。 ふむ、そりゃそうでしょうよ。そうでしょうとも。
これ、レディースランチにして欲しい、と本気で思いつつ、「小学生以下まで」と書かれたメニューの文字を恨めしく見ていた。