my trivial daily life

観劇備忘録のようなもの

懐かしくも怖い視線

会社の用事で新宿へ。取引先から出てくると、「あ!」と声がして、振り向くと昔の同僚が居た。「あれ、珍しい。こっちにも来ることがあるの?」と問われ、「ほんとにごくたまになんですけど」と答える。もう3年ほど会っていない人だったのに、元気だとかじゃなくてそういう話題から入るのが可笑しい。近況を報告しあい、「これからオーナーと待ち合わせ」というので、一緒に到着を待ってオーナーにご挨拶だけしておこうと決めた。昔、本当に必死で職場復帰を考えていたころ、わたしを拾ってくれたオーナーに、わたしはやはり今でも恩義を感じている。私生活が忙しく回転し始めて、心も過敏になっているわたしを非常に鋭く見抜いていた人だけに会うのは緊張するのだけれど、それでもお顔を見ておこうと思ったのだ。

待ち合わせ時間に少し遅れてきたオーナーにご挨拶する。相変わらずオーナーの目は鋭くて、ご挨拶とか笑顔とかそんなものはすり抜けて、こちらの心のほうに一直線に切り込んでくるみたいでドキマギした。いろんな男の人がいるけど、こうも鋭く切れ込むような目の人をわたしは他に知らない。同僚がこころなしかやつれた気がするのも、やはり鋭敏な嗅覚を持った上司とのやりとりがハードなんだろうな、と察する。
慌ただしくご挨拶だけして、お昼だったので新宿でついでにランチしてから帰社することにする。いつも最近はお弁当だったので、冷たいサラダがしゃっきりと出され、温かいスープが最後の一口まで温かいように配慮され供されることに久々に感激しながら一人ランチ。わたしは一人でお店に入るのがあまり苦ではない人なので(一人で喫茶店とか一人でそば屋とかいう親父臭いこともしてのける)、帰りにスタバで文庫本を片手にコーヒーを飲んで、ゆっくり昼休みを堪能した。毎日デスクや会議室でお昼を食べているとやっぱり休まらないんだなぁと再確認。毎日知らない人に会うのもしんどいのだけれど、毎日静かにデスクワークだけじゃやっぱりつまんないのよね。