my trivial daily life

観劇備忘録のようなもの

ショーウィンドウの晴れ姿

七五三の折に写真を撮った写真館から電話がかかってくる。
何の話だろう?お金は確かに払ったぞ!今更追加請求とか言われたら困るぞ、とか思いつつ話を聞いてみる。すると、なんと来月から写真館に娘の写真を飾りたいのだが、いいだろうか?ということだった。少し悩んだが、せっかくの娘の晴れ姿だし、写真館に飾られているところなんかも見てみたいし、通り過ぎる人も案外いちいち見ないものじゃないだろうかとか思い、了解した。なんと11月まで展示して12月になったら引き延ばしたその写真はいただけるのだろうだ。なるほど、巷でよく見る写真館のショーウィンドウはこういう風に連絡が来て、こういう謝礼があって飾られていくんだなあ、などと余計なことだが感心する。娘にもこのことを伝え「いや?」と訊くと、「いやじゃない。嬉しい…けど、恥ずかしい」と答えた。うんうん、そんなもんだろう。

若かりし頃は、ここに飾られる人はどういう経緯でこうなったんだろう、わたしなら絶対嫌だわ! 一体どういう神経なのかしら、とか思ったものだが、大切な家族の晴れやかな姿を飾られるのは誇らしいものなのだと知った。こんな風に昔嫌悪感を感じたものが、たやすく受け入れられるようになることはとても幸せなことに思う。
9月から11月の間は街の片隅のショーウィンドウに母が保管して置いてくれた思い出の着物姿の娘がいる。道行く人は気づかなくても、それはわたしたちだけが知る大切な思い出の一コマだ。展示されている間にちゃんと観に行って写真を残しておきたいな、などと思っている。