my trivial daily life

観劇備忘録のようなもの

忘れ物の女王

帰宅途中、通りかかった小学校の校門前に見慣れた自転車を見つけた。何やら胸騒ぎがしてよくよーく見ると、それはたしかに娘ので、しっかり名前が書いてある。自宅に電話をしても娘は出ない。この校門前に良く娘は迎えに出てくれていたので、まさかわたしを迎えに来て、何か起こって、自転車だけを放置していなくなったのじゃないか、と焦る。今日はスーパーとドラッグストアに寄ってきたので外はもうすっかり暗い。不安になって道行く人の視線も構わず、娘の名前を呼んで学校の周りを探した。でも気配がない。
ふと、ここはラジオ体操に通っている学校であったことを思い出す。今日のラジオ体操は自転車で行って、そのまま忘れて帰ってきたのかもしれない。家にいないのは、鍵を忘れたか、見つからないかして、親しくさせていただいている階上のお宅にお邪魔しているのかもしれない。そう思って、そのお宅に電話すると娘はちゃっかりいた。
「自転車、校門の真ん前に忘れているよ」と娘を呼び出して、家に帰る。鍵は確かに朝確認したので忘れているはずがないと再度確認させるとやはり鞄のポケットから、キーホルダーもキーチェーンも外した状態で出てきた。折角忘れないようにとつけてあったものを勝手に外してしまうからこうなるんだよ、とお小言。
更に明日の水泳授業最終日は検定なので、荷物を確認しようとして、昨日に引き続きプールバッグを忘れていることに気づく。一昨日からプールは悪天候のため中止になっていて、また学童にプール道具一式を置いてきていると言う。「ね、プールカードは?」と聞くと「あ! 忘れた」と、またも懼れていた返事が。先日のこと(→id:lluvia:20040730参照)があるので、どうしてまだ同じことをするのかと徒労感に襲われながら、駄目もとで児童館に電話する。幸いなことにお掃除の人がいて、まだ開いているというので自転車で取りに行かせる。が、出かけた後で娘の荷物を開けてみたところ、しっかりプールカードが入っていた。
案の定手ぶらで帰ってきた娘に、今回ばかりはしっかりお灸を据えようと思った。本当はお腹もすいているし、怒ったら疲れるし、怒ったりなんかしたくないんだけれど。でも、自分の荷物をきちんと持って帰ることだけはちゃんとやって欲しい、ということや、いるべき場所にいるべき時間にいないと、どれだけ心配するか、空っぽの自転車を見つけたとき、どれほど怖かったかを話す。さすがに今回は意地っ張りの娘も自分から泣いて「ごめんなさい」と謝ったので、「わかってくれればいいんだよ」と一段落したところで、やっとこさ夕食にありつけた。
心配することが親の仕事とは思っていても、プールバッグごとなくすとか、1年生の時はランドセルの中身が空っぽで帰ってくるとか、豪快な逸話を持つ娘を持つと心臓が持たない。わたしに似た娘もしんどいけれど、こうも違うのもしんどいもんだ。それでも寝顔は赤ちゃんの頃と変わっていなくて、あどけなくって清らかで可愛くて、んもぅ可愛くなけりゃやってられないわ、とか思う徒労な夜である。