my trivial daily life

観劇備忘録のようなもの

しろくまちゃんのほっとけーき

しろくまちゃんのほっとけーき (こぐまちゃんえほん)
しろくまちゃんのほっとけーき』 わかやまけん著 こぐま社 ISBN:4772100318

休日のブランチ。娘のリクエストでホットケーキになる。材料を取り出していると、娘が絵本を本棚から引っ張り出してきた。『ぐりとぐら』のカステラも美味しそうだけれど、ホットケーキといえばこの本でしょう。材料をボールに入れて撹拌していると、娘が両手でボールを押さえながら言う。

こなは ふわふわ ぼーるは ごとごと
だれか ぼーるを おさえてて

ホットケーキを作る手順が実に楽しく書かれていて、一緒にいつも口ずさんでしまう。ホットケーキのタネをフライパンに落とすと、本日のメインイベントだ。

ぽたあん
どろどろ
ぴちぴち
ぷつぷつ
やけたかな
まあだまだ

絵と見比べながらホットケーキが焼けていくのを見守る娘。
「ねえ、もう、‘しゅっ’じゃない?」
「うーん、もうちょっとかな」
声を合わせて「しゅっ」と言いながら裏返す。

しゅっ
ぺたん
ふくふく
くんくん
ぽいっ
はい できあがり

お料理は指先と目と鼻と耳とを総動員してタイミングを見極めるもの。じっと観察していると必ず「もういいよ」の合図があるものだ。そんなことがこの擬音のリズムとホットケーキの焼けていく絵から伝わってくる。

できた できた
ほかほかの ほっとけーき

バターを落として、メイプルシロップをかけて、熱々のホットケーキの上をバターが溶けながら滑っていくのを見つめる。ナイフを入れる最初の瞬間までが、ホットケーキは至福の時間だ、と思う。

「ママ! メイプルシロップ、もうこれしかないよぉ〜」
…ちくしょう。またリベンジだぁ。